体脂肪率よりも、除脂肪量の方が異常です
現役力士589人の体重を数えました。平均は138.6kg、身長の平均は178.8cm。いちばん重い人は252kg、いちばん軽い人は62kgで、その差は190kgあります。
幕内42人の平均は159.1kg。121kgから199kgまでが同じ土俵に上がります。相撲に体重別の階級はありません。これが相撲という競技のいちばん大事な性質で、小さい力士は毎日それを引き受けています。
ネット上では「23.5%」「32.5%」など数字が割れていますが、査読を受けた研究では値がそろっています。
| 対象 | 体脂肪率 | 除脂肪量 | 出典 |
|---|---|---|---|
| プロの力士 36人 | 26.2% | — | Annals of Human Biology 1999 |
| プロの力士 37人 | 26.1% | 平均80kg級 | Am. J. Human Biology 1994 |
| ボディビルダー 14人 | 10.9% | — | 同上(比較群) |
| 鍛えていない男性 26人 | 12.1% | 約51kg | 同上(比較群) |
| 大学の相撲部 | 24.8% | 83.3kg | 大学生力士の研究 |
いずれも水中体重法(体を水に沈めて密度から求める方法)による測定です。街の体組成計(インピーダンス法)とは測り方が違うため、同じ人でも数字がずれます。ネットの値が割れているのは、この違いと、引用元がはっきりしないまま孫引きされているためです。
1994年の研究は、力士・ボディビルダー・一般男性を同じ方法で測っています。そこで分かったのは、力士の特異さが脂肪ではなく除脂肪量(筋肉・骨・内臓の合計)にあることでした。37人のうち6人が100kgを超える除脂肪量を持ち、最大の1人は121.3kg(身長186cm・体重181kg・体脂肪33.0%)。研究者はここから「人間の除脂肪量には上限がある(身長1cmあたり0.7kg程度)」という仮説を立てています。
1999年の研究(力士36人)は、番付ごとに体組成が違うことを示しました。関取(十両以上)は、下の番付の力士より除脂肪量指数が有意に大きい。論文はその境目をおよそ30としています。太っているかどうかではなく、脂肪を除いた中身がどれだけあるかが、番付と結びついていたということです。
⛔このサイトは体組成を自分で測っていません。上の体重と身長はこちらの名簿を数えた値、体脂肪率と除脂肪量は上記の研究の値です。出典=Hierarchical differences in body composition of professional Sumo wrestlers(Ann Hum Biol, 1999)/Upper limit of fat-free mass in humans: A study on Japanese Sumo wrestlers(Am J Hum Biol, 1994)。