大相撲ログ力士・取組・番付のぜんぶ

押し相撲が四つ相撲に追いついた — 幕内の決まり手60年

幕内11万8千番の決まり手を10年ごとに数えると、寄り切りが29%から24%へ下がり、押し出しが10%から24%へ上がっていた。

2026-08-11

大相撲の決まり手といえば寄り切りです。相手のまわしを取り、組んだまま土俵の外へ運ぶ。相撲の教科書はここから始まります。

ところが、幕内の取組を10年ごとに数えると、その教科書が静かに書き換わっていました。

数えたもの

このサイトが持っている取組データのうち、幕内の118,493番(1958年〜2026年7月場所)を対象に、決まり手を10年ごとに集計しました。十両以下は番数が年代で大きく増減するため外しています。

年代番数寄り切り押し出し
1960年代17,19929.1%10.1%
1970年代16,03329.3%12.2%
1980年代16,44235.5%15.0%
1990年代17,45730.3%17.1%
2000年代17,82527.3%20.1%
2010年代17,83428.4%20.8%
2020年代11,65524.6%24.0%

寄り切りは29.1% → 24.6%、押し出しは10.1% → 24.0%。60年かけて、両者はほぼ並びました。2020年代の差は0.6ポイントしかありません。

「組まない相撲」が半分に近づいた

決まり手を一つずつ見るより、組む相撲か・組まない相撲かでまとめた方が変化がはっきりします。

突き押し系(押し出し・押し倒し・突き落とし・突き出し・はたき込み)と、四つ身の系統(寄り切り・寄り倒し・上手投げ・下手投げ・上手出し投げ)を比べます。

年代突き押し系四つ身の系統
1990年代(n=17,457)33.4%45.5%
2020年以降(n=11,655)46.4%34.8%

30年で逆転しています。1990年代は四つが12ポイント上回っていたのに、いまは突き押しが12ポイント上回る。

はたき込みが増えているのは、押しが増えた結果

同じ期間にはたき込みも7.0% → 9.0%へ増えています。これは押しの増加と切り離せません。前へ出る圧力が強いほど、それをいなす手が有効になり、また前へ出た側が落ちる場面も増えます。押し相撲の増加と、その裏返しである引き技の増加は、同じ一つの変化の表と裏です。

この数字が言っていないこと

決まり手そのものの意味は決まり手の一覧にまとめてあります。全87手のうち、幕内で実際に出たことがあるのも87手です。

← 読みもの一覧